インフルエンザとは
インフルエンザウイルスに感染することで発症する感染症です。国内の感染者数は毎年約1000万人で、約12人に1人の割合で感染していると言われています。
インフルエンザは冬に流行し、短期間のうちに感染が広がる特徴を持っています。流行する型にもよりますが、12月~2月頃が流行のピークです。
インフルエンザウイルスの感染経路は主に2つで、「飛沫感染」と「接触感染」があります。
飛沫感染
感染者の咳・くしゃみなどで飛び散った飛沫を吸い込むことで、インフルエンザウイルスが体内に入って感染する経路です。マスクなどを使って、飛沫を防ぐことが重要です。
接触感染
ウイルスが付いた手で口や鼻などを触ることで、粘膜を介して感染する経路です。
咳やくしゃみを手で押さえた時に飛沫が付き、その手で様々なものに触れることで感染が広がるため、手洗いを徹底して感染を防ぐ必要があります。 インフルエンザウイルスの潜伏期間は1~5日程度で、潜伏期間後に高熱(38℃以上)や強い倦怠感、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。
風邪と比べて症状が重く、かつ感染力も強いため、数日ほど学校や会社を休む必要があります。
発症後48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用した場合、服用しない場合よりもウイルスの増殖を抑制させることができるため、早く回復します。
ほとんどの感染者は回復するまで、3~7日ほど症状が続きます。
特に高齢者や小さい子ども、妊娠している方、持病を抱えている方など、免疫力が低下している方は気管支炎や肺炎などの合併リスクが高く、悪化すると脳炎や心不全など重篤な合併症を引き起こすリスクもあります。
そのため、感染と重症化を防ぐために、流行シーズン前である10月~12月頃までの間に、インフルエンザワクチンを接種しておきましょう。
インフルエンザに感染してしまった場合
発熱が起こってから48時間経つと熱は下がっていきますが、その状態でも感染リスクはあるため、医師から許可が出るまでの間は自宅で安静にしましょう。
インフルエンザの種類
インフルエンザは抗原性の違いから、A型とB型、C型、D型の4タイプに分類できます。その中でヒトに流行するタイプは、主にA型とB型のインフルエンザです。
A型はヒトだけではなく、ブタやウマなどの哺乳類や鳥類にも感染して変化しやすい特徴があります。ヒトのみに感染するのはB・C型で、家畜のみに感染するのはD型です。A型インフルエンザウイルスは表面からトゲ状のタンパク質が突き出ており、そのうちのヘマグルチニン(H1~16)とノイラミニダーゼ(N1~9)の組み合わせによって、144もの種類に分類できます。
インフルエンザワクチンは流行する型を予測して作られていて、毎年流行する傾向が強いA型の「香港型(H3N2型)」と「ソ連型(H1N1型)」、B型の「山形系統」と「ビクトリア系統」、合計4種類の株が入っております。
インフルエンザの検査
インフルエンザは迅速診断キットを使って、15分ほどで診断することが可能です。
インフルエンザの治療
内服薬と点滴、吸入薬を使った治療を行います。
内服薬はタミフルやゾフルーザ、吸入薬はリレンザもしくはイナビル、点滴はラピアクタという薬を使います。
「38℃以上の高熱が突然出る」など、インフルエンザが疑われる症状がありましたら、当院へご連絡ください。
下記の抗インフルエンザ薬を使用します。
ノイラミニダーゼ阻害薬 |
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キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬 |
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インフルエンザの予防接種について
インフルエンザの予防接種における注意事項
- 当院の予防接種は「完全予約制」です。ご予約の際は、お電話またはウェブサイトにてお問い合わせください。当日接種可能な場合もありますので、お急ぎの場合もお電話ください。
- 現在妊娠している方、持病を抱えている方は、かかりつけの医師に相談を行ってから、お問い合わせください。
- 3歳以下のお子さまの接種には対応しておりません。あらかじめご了承ください。
※1人1枠のご予約でお願いいたします。
※ご希望の時間に空きがない場合は、月~水曜日と金曜日の9:00~12:30または14:00~18:00の間にて、「〇時希望」とコメントを記載していただきますようお願いいたします。
予防接種すれば感染しない?
予防接種をした場合でも、基礎疾患や免疫力の低下などが原因で発症するケースはあります。しかし予防接種は、発症した時に症状を軽減させたり、重症化のリスクを抑えたりする効果が期待できます。そのため、予防接種は毎年計画的に済ませることをお勧めします。
インフルエンザ予防接種の費用
費用(税込) | |
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インフルエンザ予防接種 | 3500円 |
インフルエンザの予防
ご自身はもちろん、周りに感染を広げないためにも、下記の対策を行いましょう。
- 人混みや電車・バスなどではマスクを着ける
- こまめに手洗い・うがいをする(特に、帰宅した後やトイレに行った後は必ず手を洗いましょう)
- 流行シーズン中、繁華街や人が多くいる場所への外出は控える
- 加湿器などを使って部屋の湿度を高くする