だるさ・倦怠感

だるさ・倦怠感でお困りの方へ

「ちゃんと寝ているのに身体が重い」
「やる気がわいてこない」
「疲れていて仕事(勉強)に集中できない」
疲れがたまると上記のような症状がでますね。このような症状を「だるさ」、医学的には「倦怠感」と言います。
長時間の仕事や勉強、運動、ストレスなど日常生活が原因のだるさ・倦怠感は、身体が休息を必要としているサインなので、まず規則正しい生活を意識してみましょう。簡単な運動をして、栄養のバランスの良い食事をとり、早寝早起きをしてみることが大切です。
それでも、治らずだるさが続く人は要注意!です。何か病気が隠れているかも知れません。
いくつか代表的な疾患をご説明いたします。

疾患によるだるさ倦怠感

「だるさ」を感じた時に、考えられる病気はとてもたくさんあります。
風邪やインフルエンザ、急性肝炎だけではなく、腎疾患や心疾患、肺疾患、貧血、慢性の肝臓疾患、結核、がん、更年期障害、糖尿病なども考えられます。また、うつ病や双極性障害、統合失調症、適応障害などの精神疾患でも、だるさ・倦怠感を感じる方がとても多くいらっしゃいます。加えて、薬による副作用でだるさ・倦怠感が現れるケースもあります。
下記の症状に心当たりのある方は、是非当院へご相談ください。

貧血

貧血は、血液そのものが減ってしまうのではなく、赤血球やそのなかにあるヘモグロビンが少なくなることで起こります。貧血になると階段を上がると息切れがする、動悸がする、苦しくて早く歩けないなどの症状がでます。原因で、一番多いのは鉄が不足してしまう鉄欠乏性貧血です。ヘモグロビンは、鉄分とたんぱく質などで構成されている赤色色素タンパク質です。ヘモグロビンは、肺で酸素を取り込んで全身に酸素を運ぶ大切な役割があります。ヘモグロビンを作るためには鉄が欠かせません。身体の鉄分が不足してしまうとヘモグロビンがうまく作られなくなり、赤血球の数が減ってしまいます。鉄が不足したときの赤血球を写真でみると赤血球自体の大きさも小さくなることが分かっています。すると酸素を十分に体に運ぶことができなくなってしまいます。
酸素不足になると、「めまい」や「立ちくらみ」、「顔色が悪い」、「だるさ」や「倦怠感」などの症状が現れます。これを鉄欠乏性貧血といいます。他にも爪がへこむ「スプーンネイル」がでてきたり、あしがむずむずする「レストレスレッグ症候群」がおきたり、氷が食べたくなる「異食症」がでたりします。
貧血は診察と採血を行い診断できます。

貧血について

風邪

風邪は細菌やウィルスによる感染で発症します。細菌やウィルスが体内に侵入すると、身体の免疫システムが細菌やウィルスを体外へ排除するために、免疫作用を起こします。そのため発熱や咳、痰、鼻水など症状がおこります。これらの免疫作用で体力が消耗されるので、だるさ・倦怠感がおきます。重症化を防ぐために、早めの対処が大切です。

急性肝炎

過度な飲酒や薬の副作用が原因で発症するケースもありますが、多くは肝炎ウイルスの感染が原因で発症します。肝炎ウイルスはA型、B型、C型がよく知られていますが、実はD型、E型もあるため、全部で5種類です。
肝炎ウイルスに感染すると、半年間の潜伏期間(長期間の場合)を経て発症します。主な症状は発熱をはじめ、風邪のような症状が多いです。発熱が起きた後は褐色尿や黄疸、食欲不振、吐き気とともに、全身の倦怠感も現れます。

うつ病

気分障害の一種で、一日中強い不安や抑うつ気分(気分の落ち込み)、不眠、罪悪感、希死念慮(死にたいと思う気持ち)などがでてきます。
ほかにも食欲減退や性欲減退、頭痛、腹痛、肩こり、耳鳴り、めまい、下痢・便秘などの症状や、だるさ・強い倦怠感なども現れます。これらの症状が長期間続くので、日常生活に大きな支障をきたしてしまいます。
自分ではよくわからず、家族や周りの方に受診をすすめられていらっしゃることもあります。特によく眠れない、早朝に起きてしまう、体重が減ってきた、やる気が起きない等がありましたら、一度受診をお勧めいたします。

糖尿病

実は、糖尿病でもだるさはおきます。
当院でも毎年「異常なだるさ」「体重減少」のため受診されて、糖尿病が発覚するケースがあります。
糖尿病は、生活習慣や肥満、ストレスなど様々な原因で、膵臓で生成されるインスリンの分泌量が低下したり働きが悪くなったりすることで発症します。身体は血糖値の調整ができなくなり、血糖が高くなります。高血糖状態が続くと、栄養が尿から出て行ってしまい、脱水が起こるため、体重が減り、だるさやのどの渇きがでてきます。
糖尿病になると「糖尿病腎症」「糖尿病網膜症」「糖尿病神経障害」といった三大合併症や、他疾患の併発リスクが高まります。重症化すると命に関わる疾患です。
特に糖尿病が急に悪くなったときは、冒頭の通り、強いだるさと体重減少が起きることが多いので、そのようなときにはすぐに受診してください。

糖尿病について

腎不全

腎臓の機能が正常のときよりも30%以上低下した状態を「腎不全」といいます。腎臓は体の毒素を尿にして外へ出す働きがあるので、腎臓が悪くなると、毒素が溜まって「だるさ」が強くでます。ただ、初期のころはほとんど症状はなく、健康診断で腎機能障害を指摘されてたことがきっかけとなり受診される方が多いです。末期状態になると体内に尿毒症物質が蓄積し、様々な尿毒症の症状を起こします。主な症状はむくみ、食欲減退、吐き気、かゆみなどが挙げられますが、だるさや倦怠感もよく見られます。
また、腎不全が進行して腎性貧血が併発すると、通常の貧血の症状と同じように、さらにだるさや倦怠感が起きやすくなります。また、カリウムがうまく尿から排泄されなくなるため、高カリウム血症なども併発する恐れがあります。この高カリウム血症の症状でも、身体のだるさ・倦怠感・脱力感は見られます。
腎機能異常も見られ、かつ強いだるさや倦怠感が現れてしまうと、腎不全の末期状態になっていることが多いです。末期状態になると、治療方法を腎代替療法(血液透析,間欠的血液透析,腹膜透析など)に切り替えなければいけません。だるさや倦怠感などの症状が続き、かつ腎臓の疾患に心当たりがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

腎臓内科について

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