東京駅・日本橋の内科・消化器内科・腎臓内科・産業保健【日本橋えがわクリニック】

骨粗鬆症の診断

骨粗鬆症の診断は
「脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折の有無」と、
「骨密度値または脊椎エックス線像を用いた骨粗鬆症化の判定」の二項目で行います。

脆弱性骨折とは立位や座位からの転倒やベッドからの転落など軽い衝撃でおこった骨折で、交通事故などの高エネルギー外傷は一般的には含みません。

脆弱性骨折が既にある場合は「骨粗鬆症」と診断します。特に、大腿骨近位部骨折や椎体骨折がある場合、骨密度は考慮しません。

脆弱性骨折がない場合には、骨密度測定で若年成人平均(Young Adult Mean: YAM)の80%以上で「異常なし」、70%から80%で「骨量減少」、70%未満で「骨粗鬆症」と診断します。

骨密度測定にはX線を用いる方法と超音波を用いる方法があります。

最も推奨されるものはDXA(Dual-energy X-ray absorptiometry)で、検査部位は腰椎と大腿骨近位部の両者を測定することが望ましいとされます。これらの測定が困難な場合は、橈骨骨幹部(前腕の1/3遠位部)の骨密度を用います。

手で計測する場合は中手骨を用いるMD(Microdensitometry)でしょう。ガイドラインに骨粗鬆症の診断基準として認められていますが、中手骨は海綿骨が少ないため、治療効果の判定は困難と考えられています。

定量的超音波測定法(Quantitative Ultrasound: QUS)は多くの場合、踵の骨を測定します。
人間ドッグや検診では汎用されており、小児や妊産婦においても測定可能ですが、ガイドラインではスクリーニングとして利用できますが、確定診断に使用することはできません。

当院ではメディカルスキャン東京に検査依頼し、腰椎と大腿骨近位部の両者を測定していますので、正確な骨密度を測ることができます。もちろん他院での検査データがある場合は持参いただいても結構です。

骨代謝マーカーは、骨の吸収や形成を血液や尿から測定することができます。
骨代謝マーカーは現時点では診断基準に含まれていませんが、治療方針の決定や薬物治療の効果測定などに有意義です。

当院では、日内変動や腎機能の影響などを考慮して、骨吸収マーカーとしてTRACP-5b(酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ)、骨形成マーカーとしてP1NP(Ⅰ型プロコラーゲン-N-プロペプチド)を主に使用しています。

新しい骨粗鬆症の診断方法として、WHOが開発したFRAX® (Fracture Risk Assessment Tool)があります。正確には骨折リスクの評価ツールです。

Webサイト上の項目を入力していくと、今後10年間の骨粗鬆症性骨折と大腿骨頚部骨折のリスクが%で推計されます。一般的に15%を超える場合は骨粗鬆症の治療が必要とされています。

FRAX®は診断ツールであり、治療の評価は困難です。また、糖尿病などの方は骨折リスクが1.2~2.1倍になるとの報告もあり注意が必要です。

骨密度の項目は必須ではなく、ご本人の情報のみで簡便に行えますので、まずは試されていかがでしょうか?
もし、やり方がわからない場合は、クリニックにてご相談ください。

骨粗鬆症の診断と治療は一般的にはガイドラインに沿っておこなわれますが、なるべく早期に正確な診断を行うために、適切な検査を選ぶ必要があります。
また「骨量減少」などのボーダーラインの方の治療に際して、FRAX®や骨代謝マーカーなどを用いて総合的に判断するためには、専門的な知識も必要となってきています。

次回は「骨粗鬆症の予防について」です。

骨粗鬆症① 骨粗鬆症とはどんな病気か?
骨粗鬆症② 骨粗鬆症による問題点

骨粗鬆症が心配、健康診断で指摘された、治療や予防について聞きたいなどは
整形外科 二見一平 (骨粗鬆症学会認定医)までお気軽にご相談ください。ご家族のご相談も承ります。